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ミラノコレクション2018−2019秋冬

2018-19秋冬のミラノコレクションは、盛況
のうちに2月26日、幕を閉じた。
参加メゾンの数は156。ショーが61、展示会
は92。
新しいメゾンの参加が増えて、若いエネルギー
が活気を注いだ今回のミラノであった。
世代交代は確実に進んで行く。
グッチのミックスの手法は、今やそこかしこ
に蔓延し、それが故にミラノコレクションは
カレイドスコープよろしく色や文字の散る華

やかな印象を見せた。
今回のコレクションは、素材の選択にも広が
りが見られる。
21世紀に入って以来、一様にヘリテージと
いう企業倫理が大いに語られるようになった。
さらにエコロジーというヴィジョンも相まっ
て、かつては当たり前に使用されていたカシ
ミヤや各種ウール、コットン、リネン、シル
クなどの天然素材についてその製法や加工法
などの特に手仕事に焦点が当てられてきた。
それが故に過去を振り返るといった懐古的な
気分に引きずられがちであったとも言える。

そういう期間を経て、今、ミラノは再び力
強く前進の方向にスイッチを切り替えた。

ここ2シーズンというもの、大胆なナイロン
やビニールの使用例が目立っていた。
今回も、前回にも増してこれらの素材の応用
がここかしこに見られた。
単に若いメゾンにとって経済的な解決である
といった理由のみならず、透明感や軽さが時
代の感覚を表しているように感じられる等も
あろう。下に重ねた柄が透けて見えることの
面白さ、質量を意識させないが、光によって
その存在が強調されるなどの特徴が魅力的だ。
今や避けて通ることはもはや不可能な工業生
産の方式。現実を見据えた時にそれが可能と
する各種のテクノ素材、人工素材が再び浮上
していることには、全く不思議はない。

プラダは、80年代にポコノというナイロン
を使った黒のザックやバッグで爆発的な人気
を取り、それ以来躍進の一途をたどって現在
に至っているが、今回の婦人コレクションに
おいてもこの懐かしい黒のナイロンのコート
が新鮮に映った。実に魅力的であった。
同メゾンは、他にラバーを用いたアグレッシ
ヴな長い丈のジレや、チュールの袖なしのフェ
ミニンなドレスなど、人工素材を積極的に使
用した。それらを組み合わせたその結果はこ
の上なく現代であり、あるいは未来をすら思
わせもする内容となった。

モンクレールは今も変わらず、ダウンを用い
たコレクションを発表しているが、今回は5
人のクリエーターを招いてのインスタレーショ
ンで各人のコレクションを見せるという形式
をとった。
ヴァレンテイーノのクリエイテイヴデイレク
ター、ステファノピッチョーリは、ダウンと
いう素材ならではのフォルムを考案した。あ
たかも古代エジプトの神殿のなかの彫像を見
るかの、あるいはSF映画の1シーンを思わせ
るかの縦長の円錐型のダウンのインスタレー
ション。
そこに漂う緊張感は、観るものの心を大いに
刺激する、非現実の魅惑的な内容だった。
ID誌の編集者は、このインスタレーションに
魅入ってしまい、このダウンを買いたいと思っ
ている自分を発見した、と興奮していた。
80年代に言及するメゾンが多いなか、当時
のヴェルサーチェの、さんざめくスパンコー
ル刺しゅうで埋めたドレスを彷彿とさせる光っ
たラメ入りの素材もまた、幾つものメゾンが
使用していた例の一つである。その技術でポッ
プアート風に絵を描くメゾンには、モスキーノ
などが挙げられる。

PVCを好んで使うアンアキキのデザイナー、
アンナヤングは、エネルギーと才気に満ちて、
間違いなく、今後を牽引するデザイナーの一
人である。モヘア糸のポケットが付いたウー
ルのコートの上にさらに透明なPVCが重ねら
れたコート。テカテカに光るエナメルのコー
ト。カシミやのパーカの下にオーガンジーの
スカート。こうした組み合わせでスタイルを
作っていく彼女の服の素材もこの上なく今を
表している。
”今の勢いで服の製造を続けていったら、2050
年には現在の3倍の水や大気の汚染が現実化
するという計算になります”、とアンナはいう。
”トレンドを意識することもありません。
大きく売り上げを上げるとか、より広い市場
を獲得するとか、そういうことは目的ではな
いのです。考えて、ゆっくり丁寧に長く着ら
れるものを少なく作る。これが私のモットー
です、”と語るが、彼女の服の素材はこの上な
く今を表している。”PVCとウレタンは応用範
囲が広い、”と毎回使用している。
また、フェンデイは、チェックの布帛の上に
PVCを凝着によって一体化させた素材による
トレンチコートなどを通じて、メゾンの、工
業的なハイテクノロジーとの関係を今回も表
明していた。

一方、いうまでもなくモヘヤやカシミア、シ
ルクなどの天然素材も健在である。
特に皮革のすぐれた応用例が目に付く。
スウェードやナッパ、エナメル加工を施した
皮革、ムートンなども含めて、これらは極力
エコロジーの意識に沿って服の製造を行って
いくという姿勢の提示でもある。皮革を扱う
において不可欠な高いレヴェルの手仕事への
誇りの表れでもあろう。
例えば、トッヅもナッパを見事に操って革製
品のメーカーとしての面目をさらに躍如した
感がある。50−60年代の花柄のスカーフや80
年代の連続柄のスカーフをそのまま復刻させ
たシルクのドレスやブラウス。グッチやヴェ
ルサーチェにこうした素材使いも伺われた。
当時との違いは、スタイルがトラッシュな点
だ。グッチはその上に豹柄プリントの上着を
合わせ、そのモデルのクローンの頭部を腕に
抱えさせて現れた。アルマーニ氏は、”行き過
ぎである”、という談話をすかさず発表したが、
中国人バイヤーホーさんは、自分のお客だけ
に限った数字ですが、と昨年比の85%増の売
れ行きであると,微笑みながら語っていた。

前回のイタリアファッション協会主催の、グ
リーンカーペット賞の流れも消えてはいない。
ヴォーグイタリアとユックスは今回11回目
になる新人発掘コンテストをグリーンタレン
ト賞という名称に変えて、各国籍の7人を選
んでコレクション期間中に発表の会を開催し
た。
若い世代のこのテーマへの関心は思いの外高
い。
メラニーブラウンのブランド、バイブラウン
は雨用の服を得意とする。その素材は、使い
終わったコーヒーの粉あるいは乳酸菌などに
リサイクルのポリエステルを組み合わせて作
り出す。コーヒー粉による素材作りのキャリ
アは10年になるという。オランダ人ならでは
日常から発したアイデアだ。”無駄をしない、
無駄にしないというのが私の基本的な姿勢で
す”。すでにエコロジー関連の賞を受賞してい
るイタリアのテイツイアーノグアルデイーニは
この度は、ソステキブルなコットンのデニム素
材メーカーと蚕を殺さぬように防御したエコオー
ガンジーとで織り上げた素材、ジーンズの毛皮、
を用いてジーンズとは思えぬ柔らかなシルエッ
トのロングスカートなど50点のコレクションを
披露した。

エコロジー素材の開発には、意識の問題のみで
は解決できない各種の工業的な技術が不可欠で
ある。一般素材の3倍の費用がかかるという。
リサイクルとソステナブル。若い世代がこの意
識のもとに少しづつ、服の社会的な意味や役割
を思考しながら、新たなファッションの価値観
を作り上げていっている、という手応えを覚え
た。避けては通れぬ将来の課題であろう。

了。

矢島みゆき

年齢。

年齢を考えるという習慣は、私には全くなかった。
知人の年齢が幾つであるのかということにも関心は全くなかった。
世の中の価値観あるいは常識が変化して、若ければ若いほど良い、とされる分野があると思えば、
年齢を重ねた方が良しとされる分野もある。しかしながら、大方、年を重ねるということにさほどの価値が置かれなくなっていることは確かである。年を重ねていても若者と同様な印象にあれば褒められる。それだけ老若の世代の間の様々な違いが大きくなっている、ということであろう。また、それだけ近年になって生まれた様々なテクノロジーを操ることができるか否かという点に暮らしの重心がかかってきているということでもあろう。人生の大半を自分の頭と自分の手を使って生き抜いてきた世代と情報テクノロジーの洪水の中に生まれ落ちた若年層との間には、大きな溝が横たわっている。たとえ、見事にテクノロジーを使いこなし得る老年層の存在があったとしても、彼らと若い人々の間には、思考のギャップがある。深い思索の習慣、詩的な感受性、合理的な観方、論理的な考え方。

 

2018-19秋冬のミラノコレクションは、盛況

のうちに2月26日、幕を閉じた。
参加メゾンの数は156。ショーが61、展示会
は92。
新しいメゾンの参加が増えて、若いエネルギー
が活気を注いだ今回のミラノであった。
世代交代は確実に進んで行く。
グッチのミックスの手法は、今やそこかしこ
に蔓延し、それが故にミラノコレクションは
カレイドスコープよろしく色や文字の散る華
やかな印象を見せた。


今回のコレクションは、素材の選択にも広が
りが見られる。
21世紀に入って以来、一様にヘリテージと
いう企業倫理が大いに語られるようになった。
さらにエコロジーというヴィジョンも相まっ
て、かつては当たり前に使用されていたカシ
ミヤや各種ウール、コットン、リネン、シル
クなどの天然素材についてその製法や加工法
などの特に手仕事に焦点が当てられてきた。
それが故に過去を振り返るといった懐古的な
気分に引きずられがちであったとも言える。

 
 そういう期間を経て、今、ミラノは再び力
強く前進の方向にスイッチを切り替えた。

ここ2シーズンというもの、大胆なナイロン
やビニールの使用例が目立っていた。
今回も、前回にも増してこれらの素材の応用
がここかしこに見られた。
単に若いメゾンにとって経済的な解決である
といった理由のみならず、透明感や軽さが時
代の感覚を表しているように感じられる等も
あろう。下に重ねた柄が透けて見えることの
面白さ、質量を意識させないが、光によって
その存在が強調されるなどの特徴が魅力的だ。
今や避けて通ることはもはや不可能な工業生
産の方式。現実を見据えた時にそれが可能と
する各種のテクノ素材、人工素材が再び浮上
していることには、全く不思議はない。

プラダは、80年代にポコノというナイロン
を使った黒のザックやバッグで爆発的な人気
を取り、それ以来躍進の一途をたどって現在
に至っているが、今回の婦人コレクションに
おいてもこの懐かしい黒のナイロンのコート
が新鮮に映った。実に魅力的であった。
同メゾンは、他にラバーを用いたアグレッシ
ヴな長い丈のジレや、チュールの袖なしのフェ
ミニンなドレスなど、人工素材を積極的に使
用した。それらを組み合わせたその結果はこ
の上なく現代であり、あるいは未来をすら思
わせもする内容となった。

モンクレールは今も変わらず、ダウンを用い
たコレクションを発表しているが、今回は5
人のクリエーターを招いてのインスタレーショ
ンで各人のコレクションを見せるという形
をとった。
ヴァレンテイーノのクリエイテイヴデイレク
ター、ステファノピッチョーリは、ダウンと
いう素材ならではのフォルムを考案した。あ
たかも古代エジプトの神殿のなかの彫像を見
るかの、あるいはSF映画の1シーンを思わせ
るかの縦長の円錐型のダウンのインスタレー
ション。
そこに漂う緊張感は、観るものの心を大いに
刺激する、非現実の魅惑的な内容だった。
ID誌の編集者は、このインスタレーションに
魅入ってしまい、このダウンを買いたいと思っ
ている自分を発見した、と興奮していた。
80年代に言及するメゾンが多いなか、当時
のヴェルサーチェの、さんざめくスパンコー
ル刺しゅうで埋めたドレスを彷彿とさせる光っ
たラメ入りの素材もまた、幾つものメゾンが
使用していた例の一つである。その技術でポッ
プアート風に絵を描くメゾンには、モスキーノ
などが挙げられる。


PVCを好んで使うアンアキキのデザイナー、
アンナヤングは、エネルギーと才気に満ちて、
間違いなく、今後を牽引するデザイナーの一
人である。モヘア糸のポケットが付いたウー
コート上にさらに透明なPVCが重ねら
コート。テカテカに光るエナメルのコー
ト。カシミやパーカの下にオーガンジーの
スカート。こうした組み合わせでスタイルを
作っていく彼女の服の素材もこの上なく今を
表している。
”今の勢いで服の製造を続けていったら、2050
年には現在の3倍の水や大気の汚染が現実化
するという計算になります”、とアンナはいう。
 ”トレンドを意識することもありません。
大きく売り上げを上げるとか、より広い市場
を獲得するとか、そういうことは目的ではな
いのです。考えて、ゆっくり丁寧に長く着ら
れるものを少なく作る。これが私のモットー
です、”と語るが、彼女の服の素材はこの上な
く今を表している。”PVCとウレタンは応用範
囲が広い、”と毎回使用している。
また、フェンデイは、チェックの布帛の上に
PVCを凝着によって一体化させた素材による
トレンチコートなどを通じて、メゾンの、工
業的なハイテクノロジーとの関係を今回も表
明していた。
一方、いうまでもなくモヘヤやカシミア、シ
ルクなどの天然素材も健在である。
特に皮革のすぐれた応用例が目に付く。
スウェードやナッパ、エナメル加工を施した
皮革、ムートンなども含めて、これらは極力
エコロジーの意識に沿って服の製造を行って
いくという姿勢の提示でもある。皮革を扱う
において不可欠な高いレヴェルの手仕事への
誇りの表れでもあろう。
例えば、トッヅもナッパを見事に操って革製
品のメーカーとしての面目をさらに躍如した
感がある。50−60年代の花柄のスカーフや80
年代の連続柄のスカーフをそのまま復刻させ
たシルクのドレスやブラウス。グッチやヴェ
ルサーチェにこうした素材使いも伺われた。
当時との違いは、スタイルがトラッシュな点
だ。グッチはその上に豹柄プリントの上着を
合わせ、そのモデルのクローンの頭部を腕に
抱えさせて現れた。アルマーニ氏は、”行き過
ぎである”、という談話をすかさず発表したが、
中国人バイヤーホーさんは、自分のお客だけ
に限った数字ですが、と昨年比の85%増の売
れ行きであると,微笑みながら語っていた。

前回のイタリアファッション協会主催の、グ
リーンカーペット賞の流れも消えてはいない。
ヴォーグイタリアとユックスは今回11回目
になる新人発掘コンテストをグリーンタレン
ト賞という名称に変えて、各国籍の7人を選
んでコレクション期間中に発表の会を開催し
た。
若い世代のこのテーマへの関心は思いの外高
い。
 メラニーブラウンのブランド、バイブラウン
は雨用の服を得意とする。その素材は、使い
終わったコーヒーの粉あるいは乳酸菌などに
リサイクルのポリエステルを組み合わせて作
り出す。コーヒー粉による素材作りのキャリ
アは10年になるという。オランダ人ならでは
日常から発したアイデアだ。”無駄をしない、
無駄にしないというのが私の基本的な姿勢で
す”。すでにエコロジー関連の賞を受賞してい
るイタリアのテイツイアーノグアルデイーニは
この度は、ソステキブルなコットンのデニム
材メーカーと蚕を殺さぬように防御したエコオー
ガンジーとで織り上げた素材、ジーンズの毛皮、
を用いてジーンズとは思えぬ柔らかなシルエッ
トのログスカートなど50点のコレクションを
披露した。

エコロジー素材の開発には、意識の問題のみで
は解決できない各種の工業的な技術が不可欠で
ある。一般素材の3倍の費用がかかるという。
リサイクルとソステナブル。若い世代がこの意
識のもとに少しづつ、服の社会的な意味や役割
を思考しながら、新たなファッションの価値観
を作り上げていっている、という手応えを覚え
た。避けては通れぬ将来の課題であろう。

                    了。


             矢島みゆき






STONE POWER

Siamo nell’era cosmica.
Non viviamo più solo nel territorio della nostra pianeta.
Avendo più informazioni sul universo, stiamo facendo
tanta ricerca dell’origine della nostra presenza.
Da dove fummo arrivati, e a dove andremo.
Riguardiamo  sul significato delle tracce misteriose rimaste
sulla nostra Terra.
L’isola di Pasqua con la scultura dei giganti delle pietre.
Magari, c’e qualche collegamento tra queste e le tracce dei piedi giganti in
Sud Africa.
Siamo discendenti di quelle presenze, o no?
Speriamo di SI.

SPACESHIP EARTH


Our Earth is getting sick by numerous problem on its surfaces.
Despite of this, there are still lots of possibility in its self.
The magma can give us enormous energy.
There are lot’s of unkown resources which are not used yet.
With our conscience, developping strongly through the time,
the daily life’s objects like clothes, are getting into the scientific and philological direction.
The Roy Roger’s is the pioneer of the denim: super ecologic and friendly
to the enviorment and our health.
With our strong conscience, the Spaceship- Earth,can take the right direction towards the future,
to navigate always more far into an infinite open space which is called the Univers.

自我と他者。

完璧に自分を意識から外した状態。
自分と周囲との境がなくなった状態。
その瞬間のえも言われぬ巨大な幸せ。
生きるにおいて、自我は必要不可欠なものであり、
しかし、同時に時として生きる行方を撹乱するものでもある。
他との関係の中に生まれる葛藤。逡巡。
やがて、それらも凌駕して自らの中に確かめる独立した心。
平和な心。
優しい心持ち。
温かな感触。
自らに執着する気持ちは、他を受け入れる気持ちと均衡を保って、
自分と他との境が消えていく。

Il paesaggio di nostra terra.

KURARAY Co., Ltd + NABA University Collaboration Project @NABA: Via Carlo Darwin 20, Milano

Installation by S.C. Artroom
Il paesaggio di nostra terra.
5.5 x 4 x 2.8 m @ Naba universita.

Il paesaggio della nostra terra.

Il fashion business è diventato una realtà gigante.
Tanta gente utilizza i vestiti per esprimere la sua identità
trasformabile: costume play.
I vestiti sono le presenze più forti che le persone che li indossano.
I veri protagonisti sono i vestiti che le persone, oramai.
Li producono, e producono di più in continuo.

Gli uomini nascono e finiscono la loro vita alla fine, e scompaiono la presenza fisica, perchè siamo organici.
I vestiti invece nascono, e possono rimanere sempre fisicamente, sia i tessuti sostenibili, e sia non, finche non vengono bruciati.
Non sappiamo quante tonnellate dei vestiti prodotti in più ogni anno.
In 50 anni, e in 100 anni, ancora in 150 anni?
La nostra terra sarà coperta con i vestiti.
Sarà un paesaggio caratteristica della nostra terra, forse l’unica, nella nostra pianeta?

Miyuki Yajima di S.C. Artroom

SPAZIOPLAY

Il mondo sta cambiando velocemente.
La società è come un liquido che corre continuamente.

Non c’è più un concetto di stabilità. È tutto fluttuante.

Anche lo spazio commerciale dovrebbe essere molto flessibile, se pensiamo alla velocità del consumismo, dei pensieri e dei gusti.

Il negozio come spazio di vendita può essere molto leggero, trasformabile e non costoso, adeguando il cambiamento veloce del consumismo.

Lo spazioplay, perché ormani tutto è un gioco.

MIyuki Yajima di  S.C.Artroom

 

@COSTRUZIONI: Corso Garibaldi 5E, PAVIA// Concept and Space Design, & Artisanal Realization by S.C. Artroom

REFLECTION デザイン再考

ネアンデルタール人の時代から10万年が経っている。
その時代から、人類は道具を作り、花を飾り、小さな岩
に座って、より心地の良い暮らしを心がけてきた。
長い年月と共に、人の暮らしの内容も方式も変わり、技術も
変わり、使用できる素材の幅も大いに広がって、人類は
望む暮らしのあり方を各々が選択できるほどに、道具や家具の
製造に力を入れてきた。
椅子、机、車、コンピューター、等々。
10万年というもの、道具と家具を考案し続け、作り続け、
購入し続けてきている。
快適な暮らし、という名目のために。
これはしかしながら、逆に道具や家具によって我々人類の暮らしが
操られているということでもある。

現代の各種の環境の問題、素材の浪費の問題、食料の問題。
これらに脅かされつつ、しかしながらこれらはいずれも我々が
生産し続けてきたことの利子であることを苦い思いで
かみ潰している。
ここに至って、そろそろ、我々は10万年踏襲し続けてきた
手法が問題多き現代そして未来においても有効であるのか否か、
についての考証が必要になっていると思う。

人類は、少し前からすでに、快適さを求める時代から、健康な暮らし、安全な暮らしといった人間の存在を守る時代にある。
健康な暮らし、安全な暮らしとは何かといった、人間の存在を守るという意識が必要な時代にある。

快適さを追求し続けてきたこの10万年から、安全、健康といった人類を
守る時代へ。こうした意識の変革が必要な現実に人類は生きている。
意識の変革がもたらすデザインの方向の変化について敏感になるべきである。

各々が道具や家具を使おうとするにおいて、自分の意識と
判断に照らし合わせる、つまり、自分が自分を守るにおいて、有効な
道具や家具の選択をしていくことが必須となっていくことだろう。

今回の対談シリーズは、こうした意識の変革がもたらす道具や家具のデザイン
の変革を考えるヒントを与えてくれるはずである。

矢島みゆき

2018秋冬ミラノコレクション。素材から。

ANNAKIKI

2018-19秋冬のミラノコレクションは、盛況
のうちに2月26日、幕を閉じた。
参加メゾンの数は156。ショーが61、展示会
は92。
新しいメゾンの参加が増えて、若いエネルギー
が活気を注いだ今回のミラノであった。
世代交代は確実に進んで行く。
グッチのミックスの手法は、今やそこかしこ
に蔓延し、それが故にミラノコレクションは
カレイドスコープよろしく色や文字の散る華
やかな印象を見せた。

今回のコレクションは、素材の選択にも広が
りが見られる。
21世紀に入って以来、一様にヘリテージと
いう企業倫理が大いに語られるようになった。
さらにエコロジーというヴィジョンも相まっ
て、かつては当たり前に使用されていたカシ
ミヤや各種ウール、コットン、リネン、シル
クなどの天然素材についてその製法や加工法
などの特に手仕事に焦点が当てられてきた。
それが故に過去を振り返るといった懐古的な
気分に引きずられがちであったとも言える。

そういう期間を経て、今、ミラノは再び力
強く前進の方向にスイッチを切り替えた。

ここ2シーズンというもの、大胆なナイロン
やビニールの使用例が目立っていた。
今回も、前回にも増してこれらの素材の応用
がここかしこに見られた。
単に若いメゾンにとって経済的な解決である
といった理由のみならず、透明感や軽さが時
代の感覚を表しているように感じられる等も
あろう。下に重ねた柄が透けて見えることの
面白さ、質量を意識させないが、光によって
その存在が強調されるなどの特徴が魅力的だ。
今や避けて通ることはもはや不可能な工業生
産の方式。現実を見据えた時にそれが可能と
する各種のテクノ素材、人工素材が再び浮上
していることには、全く不思議はない。

プラダは、80年代にポコノというナイロン
を使った黒のザックやバッグで爆発的な人気
を取り、それ以来躍進の一途をたどって現在
に至っているが、今回の婦人コレクションに
おいてもこの懐かしい黒のナイロンのコート
が新鮮に映った。実に魅力的であった。
同メゾンは、他にラバーを用いたアグレッシ
ヴな長い丈のジレや、チュールの袖なしのフェ
ミニンなドレスなど、人工素材を積極的に使
用した。それらを組み合わせたその結果はこ
の上なく現代であり、あるいは未来をすら思
わせもする内容となった。

モンクレールは今も変わらず、ダウンを用い
たコレクションを発表しているが、今回は5
人のクリエーターを招いてのインスタレーショ
ンで各人のコレクションを見せるという形式
をとった。
ヴァレンテイーノのクリエイテイヴデイレク
ター、ステファノピッチョーリは、ダウンと
いう素材ならではのフォルムを考案した。あ
たかも古代エジプトの神殿のなかの彫像を見
るかの、あるいはSF映画の1シーンを思わせ
るかの縦長の円錐型のダウンのインスタレー
ション。
そこに漂う緊張感は、観るものの心を大いに
刺激する、非現実の魅惑的な内容だった。
ID誌の編集者は、このインスタレーションに
魅入ってしまい、このダウンを買いたいと思っ
ている自分を発見した、と興奮していた。
80年代に言及するメゾンが多いなか、当時
のヴェルサーチェの、さんざめくスパンコー
ル刺しゅうで埋めたドレスを彷彿とさせる光っ
たラメ入りの素材もまた、幾つものメゾンが
使用していた例の一つである。その技術でポッ
プアート風に絵を描くメゾンには、モスキーノ
などが挙げられる。

PVCを好んで使うアンアキキのデザイナー、
アンナヤングは、エネルギーと才気に満ちて、
間違いなく、今後を牽引するデザイナーの一
人である。モヘア糸のポケットが付いたウー
ルのコートの上にさらに透明なPVCが重ねら
れたコート。テカテカに光るエナメルのコー
ト。カシミやのパーカの下にオーガンジーの
スカート。こうした組み合わせでスタイルを
作っていく彼女の服の素材もこの上なく今を
表している。
”今の勢いで服の製造を続けていったら、2050
年には現在の3倍の水や大気の汚染が現実化
するという計算になります”、とアンナはいう。
”トレンドを意識することもありません。
大きく売り上げを上げるとか、より広い市場
を獲得するとか、そういうことは目的ではな
いのです。考えて、ゆっくり丁寧に長く着ら
れるものを少なく作る。これが私のモットー
です、”と語るが、彼女の服の素材はこの上な
く今を表している。”PVCとウレタンは応用範
囲が広い、”と毎回使用している。
また、フェンデイは、チェックの布帛の上に
PVCを凝着によって一体化させた素材による
トレンチコートなどを通じて、メゾンの、工
業的なハイテクノロジーとの関係を今回も表
明していた。

一方、いうまでもなくモヘヤやカシミア、シ
ルクなどの天然素材も健在である。
特に皮革のすぐれた応用例が目に付く。
スウェードやナッパ、エナメル加工を施した
皮革、ムートンなども含めて、これらは極力
エコロジーの意識に沿って服の製造を行って
いくという姿勢の提示でもある。皮革を扱う
において不可欠な高いレヴェルの手仕事への
誇りの表れでもあろう。
例えば、トッヅもナッパを見事に操って革製
品のメーカーとしての面目をさらに躍如した
感がある。50−60年代の花柄のスカーフや80
年代の連続柄のスカーフをそのまま復刻させ
たシルクのドレスやブラウス。グッチやヴェ
ルサーチェにこうした素材使いも伺われた。
当時との違いは、スタイルがトラッシュな点
だ。グッチはその上に豹柄プリントの上着を
合わせ、そのモデルのクローンの頭部を腕に
抱えさせて現れた。アルマーニ氏は、”行き過
ぎである”、という談話をすかさず発表したが、
中国人バイヤーホーさんは、自分のお客だけ
に限った数字ですが、と昨年比の85%増の売
れ行きであると,微笑みながら語っていた。

前回のイタリアファッション協会主催の、グ
リーンカーペット賞の流れも消えてはいない。
ヴォーグイタリアとユックスは今回11回目
になる新人発掘コンテストをグリーンタレン
ト賞という名称に変えて、各国籍の7人を選
んでコレクション期間中に発表の会を開催し
た。
若い世代のこのテーマへの関心は思いの外高
い。
メラニーブラウンのブランド、バイブラウン
は雨用の服を得意とする。その素材は、使い
終わったコーヒーの粉あるいは乳酸菌などに
リサイクルのポリエステルを組み合わせて作
り出す。コーヒー粉による素材作りのキャリ
アは10年になるという。オランダ人ならでは
日常から発したアイデアだ。”無駄をしない、
無駄にしないというのが私の基本的な姿勢で
す”。すでにエコロジー関連の賞を受賞してい
るイタリアのテイツイアーノグアルデイーニは
この度は、ソステキブルなコットンのデニム素
材メーカーと蚕を殺さぬように防御したエコオー
ガンジーとで織り上げた素材、ジーンズの毛皮、
を用いてジーンズとは思えぬ柔らかなシルエッ
トのロングスカートなど50点のコレクションを
披露した。

エコロジー素材の開発には、意識の問題のみで
は解決できない各種の工業的な技術が不可欠で
ある。一般素材の3倍の費用がかかるという。
リサイクルとソステナブル。若い世代がこの意
識のもとに少しづつ、服の社会的な意味や役割
を思考しながら、新たなファッションの価値観
を作り上げていっている、という手応えを覚え
た。避けては通れぬ将来の課題であろう。

了。

 



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